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2012年8月17日

【ゾッコン読書術】

by katsuyuki.hara

1人の作家の全作品を


160冊とことん読んだことがあった。


どうしてか?・・・


 

それは

わたしが高校生の頃、テレビのクイズ番組で

ひとりの回答者が、年頭にあたり今年の目標を発表した。

 

「わたしの今年の目標は松本清張全集を読破することです!」

と元気よく言った。

 

「そうか、そんな目標の立て方があるのか!

 

 それならば、僕は『あの人』の作品を読破しよう!」

 

と高校生の私は決めた。

 

決めたのは良かったが、

 

当時はインターネットもなく、
実際に『あの人』の作品が何冊ぐらいあるのか

見当がつかなかった。

 


そこで、

多くの書店で店員さんに聞いたり、図書館の
司書の方に探してもらいながら、次々に『あの人』の
作品を読破していった。

 

 

トータルで全作品は160冊あった。

 

高校生の私は一瞬ビックリしたが、

「よしっ読んでやる!」と思い

自分自身に挑戦していった。

 

 

さらに私は、

『あの人』の

 

思想的な背景を知りたい欲求に駆られた

ついには

 

彼の周辺の人々の著作を狩猟し出した

梅棹忠夫氏、川喜多二郎氏、今西錦司氏、加藤秀俊氏、
糸川英夫、上山春平氏、梅原猛氏、鶴見俊輔氏、


会田雄次氏等、野坂昭如氏、福田紀一氏、田辺聖子氏、
筒井康隆氏等、多田道太郎氏、南山 宏氏、開高 健氏、


横田順弥氏、小原秀雄氏、山田正紀氏、かんべむさし氏、
星 新一、荒巻義雄氏、山崎正和氏、渡辺 格氏等々

次々に片っ端からむさぼり読んだ。

 

彼の思想の一端を形成する人々との繋がりを
考えながら読んだ。

 

彼の作品は、

 

小説が多いのだが、

 

私は小説というより、彼の世界観
凝縮された書物として読んでいた。

 

彼の考えは

「宇宙」、「種としての人類」

「我々人間はどこから来てどこへ行くのか?」

 

「地球史において人類の位置は何か」

「文明と文化」「人間とは何か」

「生きるとは何か」

という壮大なスケール且つ深淵な命題がテーマであり

当時、高校生だった私の頭脳を圧倒した。

 

 

今から考えると

私がそのテーマを求めていたのかも知れない。

 

強烈に。

 

それは何故か?

 

わたしの父の他界がきっかけだ。



高校生という多感な時期に父を亡くし

「どう生きていったらよいのか」

 

を、模索し始めた頃に

該博な知識と最先端情報に裏付けられた
深い思索、宇宙の果てまで見据えるがごとき
広大な視野と洞察力を持った、

 

その作家が、
私にその答えを提供してくれるように
思えたからだった。

 


その作家は

 

小松左京

 

「かっこいい名前やなあ」

 

 

初、小松氏の小説を読んでいた頃、

私が読んだ書籍に顔写真は、なかった。

 

 

このペンネームから、

凄く格好いい二枚目の男性のイメージを

高校生だった私の頭は描いていた。

 

 

ところが、

ふと見た別の雑誌に写っていた

 

小松氏の写真は

私が勝手に頭の中で描いていた男性と

えらく違う人物だった。

 

 

パンパンに突き出た、まんまるのお腹に吊りバンド、
ふくよかな顔。ちょっとつり上がりつつも
ニコヤカな細い眼に、メガネをかけていた。

 

かわいらしいまるっこい手にはいつもタバコ。

 

「えらいイメージが違うやん!」

 

 

さらに数日後、テレビにも登場されていた。

ごっつい早口の大阪弁のおっさんだった。

 

またまた

「エーッ、えらいイメージが違うやん!」

 

最近の小松さんは、

病を抱えたこともあり、げっそりと細くなられ

別人のようになられた。

 

しかし、

私にとって小松氏の外見は、
それほど重要なことではなかった。

 

 

私にとっては
小松氏の考えこそが重要なことだったから。

 

 

当時、小松氏は日本SF界において、
押しも押されぬ存在だった。

マスコミで脚光を浴びたのは『日本沈没』だった。

 

あれは、あれで面白かった。

しかし、

 

私は、彼の違う作品に惹かれた。

『果てしなき流れの果てに』

『継ぐのは誰か』

『神への長い道』

『復活の日』

『さよならジュピター』

これら一連の作品の根底に流れるテーマ。

 

 

それは

『人類』

「宇宙史における種としての人類の可能性」

これが小松氏のテーマだと私は思う。

 

 

そこに私は惹かれた。

 


小松左京マガジン 表紙 生頼範義

 

一連の小松作品を読んだとき、

「宇宙の深淵」に触れた感覚を味わった。

 

 

そして

忙しい日常生活を送るだけでは

 

普段あまり考えない

『私自身が人類の一員である』こと

意識上に浮かべることになった。

 

『人類としての自覚』

 

広大無辺な宇宙と宇宙の歴史からすれば

ほんのちっぽけな存在である私。

 

 

しかし、

 

そんな小さな自分も、

『宇宙の歴史』『人類の歴史』の

 

一端を背負っている。

 

そして、

 

何も考えず

日常漠然と生きていれば

ただ死ぬだけの存在である私でも

その背景には「宇宙」「地球」「人類」の

一翼を担っている。

 

 

さらに

何らかの『使命』がある。

私たち1人ひとりに。

 

そんな大それたことを考えるようになった。

 


小松氏の作品は

私の視野を宇宙領域にまで拡大してくれた。

 

その後、

わたしは波瀾万丈の体験を経て、

「一人ひとりのビジョンが世界を『希望』に変える!」

というコンセプトの『ビジョンアートメソッド』を創造した。


 

今から考えると

 

小松作品が世界と人類について考える
きっかけを与えてくれ、ビジョンアートメソッドの考え方にも
その影響が大だと言える。

 

 

わたしは高校生の頃、
小松氏の全作品を読破した経験から思う。

乱読も好きだったが、

1人の作家の全作品と、
その周辺の人々の著作を読むことで、
その作家の世界観、歴史観、人生観、哲学を
広く深く学ぶことができた。


その後も多くの書物を読んだ。

 

 

だが、

まるで、

 

恋焦がれた一人の女性を愛するように

1人の作家にしぼり、とことん読破する。

 

 

これが私の【ゾッコン読書術】である。

 

 


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